必読!歯科用電子カルテの手引き

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知っておきたい問題点

電子カルテを実際に使用している現場のスタッフや医師などから話を聞いてみると、実にさまざまな問題点が挙がってきます。電子カルテシステムを取り入れる前は業務改善や品質向上に関して期待が大きく、ともすると「すべての課題を解決してくれる存在」のように思ってしまうことから、導入後に「イメージとちょっと違う」「あまり使い勝手がよくない」といった認識のズレが起こってしまうのかもしれません。

そういった認識のズレを少なくするには、電子カルテを採用する前にどういった問題点が挙がりがちなのかを知っておくのが一番です。こちらでは、実用性に関して「どのような要望や問題点があるのか」についてご紹介します。

電子カルテの実用性に関する問題点について

実際に現場で使用した医師やスタッフからは以下のような意見がよくあります。その一部をご覧ください。

  • 電子カルテに患者に関する治療画像や動画データを入れて管理したいが、徐々にデータ量が増えるとシステムが遅くなり、思ったように管理できない。
  • 実際に使い勝手の悪いボタンが多い。
  • 特定薬剤を処方している患者数や使用している患者の平均年齢を知りたいがデータを取り出しにくい。
  • 処方せんを出す時に薬の用量や用法をいちいちクリックするのが面倒。
  • カルテデータを1つの画面に表示させたい。
  • 併用すると危険な薬剤がある場合、注意が出るようなシステムにしてほしい。
  • 患者の体重に合わせた薬剤の用量が知りたい。
  • 検査を知らせてくれるアラーム機能が欲しい。

電子カルテの実用性以外の問題点について

故障が起きると診療できなくなる

電子カルテは便利な反面、システムの故障が大きな問題になります。システム化されている場合は、ネットワークにつながった端末が故障する(PCが故障する)ということも考えられるからです。システム全体がダウンしても支障が出ないように、セカンドサーバーシステムに切り替える方法でカバーする(オプションになっていることもあります)、代替機器を事前に用意しておく、自動バックアップシステムを利用する、といったアプローチを考える必要があります。

停電が起きるとシステムが使えなくなる

最近では停電に備えてPCを常時使えるようにできる装置(無停電装置)もありますが、停電に備えて完全にバックアップの発電機が用意されている医療機関はまだ多くありません(中には医療機器を動かすための発電機が用意されている病院ももちろんあります)。停電すると電子カルテシステムが使えなくなることを、考慮しておく必要はあるでしょう。

紙のようにページを扱えない

紙カルテなら「ページをめくる」という概念がありますが、電子カルテのシステムの多くはそのような画面の構成・デザインになっていません。なので、これまで長きにわたって紙カルテを使用してきた医院やクリニックでは、医師やスタッフがその使い方に戸惑ってしまう可能性はあるでしょう。ただし、過去のカルテを一覧表示したり検索したりしやすいのは電子カルテの強みです。

コストがかかる

電子カルテシステムは維持・管理(保守)にどうしても費用がかかります。しかし、紙カルテの場合も保管のための場所とコストが必要になるので、「どちらにお金を使うか」という問題だけだと考えられます。カルテを保管するスペースが足りなくなっており、これからどうしようか悩んでいる都心部の医院の場合は、電子カルテの導入に踏み切るのも手でしょう。

それでも電子カルテは「次世代に必要なシステム」です

電子カルテを導入した後の問題点は少なくありませんが、実用性の問題点に関しては「使ってみたらこんな機能が欲しかった」という意見が多いように感じます。電子カルテが導入されていなかったら、患者情報の検索もデータの取り出しもすべて手作業で行っていたはずです。それを考えれば、医療サービス向上のための第一歩として格段の進化と言えるのではないでしょうか。

また、停電やシステムダウンなどの実用性以外の部分に関しては、対処法がメーカー側でも考えられています。データベースを二重化する、自動バックアップを取るなど、メーカー側のシステムカバーで対処できるケースも多いようです。問題点を解決したいなら、まずはメーカーに相談してみましょう。電子カルテを選ぶ場合のポイントは次のページでご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

電子カルテの現状とこれから

近年電子カルテを運用している病院が増えており、病院内のいろいろな情報を一元化したり、業務効率をアップしたりすることに役立っています。電子カルテ導入により、正確なレセプトやカルテをスピーディに作成できるだけでなく、紙タイプと違いカルテ選びや片付けに時間がかかりません。

さらに、予約受付システムを併用することで、患者の待ち時間を短縮することも可能です。たとえば、検査センターとシステムを連携することによって、検査指示や検査結果の取得などをスピーディに行うことができます。

このように、電子カルテ導入にはさまざまなメリットがありますが、しかし同時にさまざまな問題点や課題があるのも事実です。大規模病院では、電子カルテの導入が進められていますが、電子カルテ導入をする際のコストが大きいという理由から、なかなか導入が進んでいない小・中規模の病院も多くあります。

医療電子化する目的として、患者がセカンドオピニオンを求める場合に、医療情報のアクセスを容易にすることが第一の理由です。次に、電子化することによって、地域医療格差をなくし、医療情報格差を埋めることにも役立ちます。

医療機関におけるさまざまな業務の効率化ができたり、医療情報を共有したりすることによって、サービスの向上を図ることができるでしょう。現在都市部はもとより、地方における医師や在宅医療のニーズも日増しに高まっており、業務効率化はもちろん、国や地域の政策的な観点からも、医療情報電子化の今後の推進に関して注目されています。

電子カルテを用いれば、さまざまな医療問題解決や、業務効率化に役立つとされており、現在医療業界だけでなく介護業界や製薬業界までも含めて検討課題として影響を与えています。とはいえ業務を電子化することに関して、その利便性とセキュリティ面は反比例の関係となるでしょう。たとえばセキュリティ面において、カルテを記入する人が医師である必要があるかどうか、患者個人の診療情報にアクセスする権限の範囲はどこまでなのかなど、医療情報を管理する責任と権限が誰にあるかを明確にする必要があります。

また、電子カルテ導入のもう1つの問題点として、情報運用時の体制やシステム構築、メンテナンスには従来以上のコストと手間がかかるでしょう。大規模病院にはメリットがあるかもしれませんが、日本に約8割あるといわれている小規模病院の場合だとコストパフォーマンスが低く、導入が進んでいない大きな理由となっています。

電子カルテ導入後も運用サポートを行っている業者はあり、データベース管理者が運用面においてもサポートを行うようなサービスが提供されている場合もあります。ただし、開発上の問題として会計システムとの連携や、クリニックと大病院でのカルテ構成の標準化など、いくつか整合性を図る必要があるため、システム自体が利用者のさまざまなニーズに対応できるようにしなければいけません。

コスト面では小・中規模の病院用として使いやすく、リーズナブルな価格のものが重要視されます。今後国や金融機関などからの補助が受けやすくなる傾向にあるので、あるタイミングから一気に導入化が進められる可能性が高いです。

近年では、クラウドタイプの電子カルテサービスがリリースされており、複数からのデータアクセスやデータベースの一括管理が可能になりました。このように、システムトラブルへのスピーディな対応やデータ分析など、問題視されているさまざまな課題に対して積極的な取り組みが行われている点はしっかり把握しておきたいところです。

問題点や課題を解決することはもちろん、インターネットを利用した新しい取り組みも行われています。たとえば、モバイル端末を利用して場所を選ばずにいろいろな端末にアクセスできるようにし、出張検診や介護などの現場において診療情報を得たりインプットもその場で行えたりすることが可能になるのです。

従来は初期コストが高くかかっていた電子カルテですが、ハード面からソフト面に移行することによって以前よりも大幅なコスト削減に繋がるようになりました。また、検索機能が充実したり、情報ネットワークと連携ができたりなど、メリットは増え続けています。

電子カルテマーケットは、病院によって異なる運営体制や情報量に応じ、コスト面と機能面の2つから導入を検討するという段階に来ているのです。今後の課題としては、セキュリティ面における暗号化による検索機能やデータベースの管理体制など、さまざまな問題に取り組んでいく必要があるといえるでしょう。

 
 
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