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電子カルテの乗り換え

電子カルテを一度導入しても、何らかの理由によって乗り換える必要が出てくることはあります。

しかし、電子カルテを乗り換えるときに一番心配なのは「データ移行をスムーズに行えるか」ということですよね。

ここでは、電子カルテを乗り換えるときのデータ移行について解説しました。

電子カルテを乗り換える意義とは?

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管理しやすく、更新も手軽にできるからこそ導入したのに、なぜ電子カルテを乗り換えなければならないのか、腑に落ちないという人もいるでしょう。

乗り換えが必要な理由の一つは、院内サーバー型の電子カルテの多くはリース契約で期限が5年となっていることです。

院内サーバー型の場合、サーバーの容量には限界があり、さらにメーカーの保守も切れてしまうためリース契約が一般的となっています。

リース契約が切れてしまったら、例え同じ電子カルテの使用を継続するとしても、新たな契約が必要となるため、最初に導入したときと同じ手続きや費用の支払いが発生するのです。

再度初期費用を支払うのであれば、同じベンダーの電子カルテを使い続けるメリットはありません。そのため、リース契約完了するタイミングで乗り換えるのが一般的となっているのです。

リース契約以外なら乗り換える必要はない?

乗り換える必要があると言えるのは、院内サーバー型の電子カルテです。

クラウド型の電子カルテであれば、サーバー容量などの問題もなく、そもそもリース契約ではありませんから、わざわざ乗り換えなくてもそのまま使い続けることができます。

ですので、クラウド型電子カルテを導入している医院では、ほとんど乗り換えることはありません。

しかし、あらゆる電子カルテをじっくり検討して選んだ電子カルテであっても、実際に使用してみたら使い勝手が悪いということがあります。

電子カルテは業務効率を高めるためのシステムですから、使いづらい、作業の効率が上がらないというのでは意味がありません。

電子カルテの種類によっては、逆に業務に支障がでてしまうこともあるのです。

クラウド型だから乗り換える必要はないとしても、業務効率の向上につながらない電子カルテは、逆に使い続ける必要があるのか疑問とも言えます。

費用がかかるとしても乗り換える意義とは

確かに電子カルテの導入費用は安いものではありませんから、一度導入をしたら簡単には乗り換えることはできないでしょう。

ですが非効率な作業が続くことは仕事の質の低下を招き、ひいては利益率の低下まで引き起こします。

例え電子カルテを乗り換える費用を節約出来たとしても、利益率が低い状態を続けていては何の意味もありません。

ですので、例えリース契約の期間が残っていても、クラウド型電子カルテを導入していても、業務効率を上げて利益率の低下も回避するために電子カルテを乗り換えるというのは十分に意義があることなのです。

電子カルテ乗り換え時のリスクについて

電子カルテの乗り換えは、現行のベンダーに不満がある場合には非常にベストな選択と言えます。ただし、乗り換え時にはリスクがあることを理解しておきましょう。

まず気をつけたいのが、データの保存料です。電子カルテの契約期間内は、データの保存ができるのは旧システムのみなので、保存料が発生する可能性があります。

また、契約内容によっては、契約期間内に解約することで違約金が発生するかもしれません。

新しく契約する電子カルテの方がランニングコストが安いというのであれば、新規電子カルテの契約料と旧電子カルテの解約違約金を合わせても結果的には経費節減になります。

しかし、コストに関して差がない場合には、解約のタイミング次第でかなりの出費になってしまうので注意しましょう。

もちろん電子カルテを乗り換えるということは、お金の問題だけじゃないかもしれません。しかし、あまりにもムダな費用が発生するようであれば、解約のタイミングをずらすなどの措置を検討しておいた方が良いでしょう。

次に注意したいのが、旧電子カルテのデータをどこまで移行できるかということです。

電子カルテの保存形式というのは、すべてのベンダーで統一されているわけではありません。

基本的に標準化されていないため、システムごとに個別の保存形式が取られていますから、今の電子カルテをそのまま新しい電子カルテに移行することはできないのです。

データの移行はベンダーに依頼するのが一般的ですが、依頼したからといって今までの電子カルテを100%正確に移行するという保証はありません。

データによっては移行できないものもある、ということを踏まえておかないと新システム体制になったときに業務が混乱してしまいます。

もちろん、こういったリスクは新旧のベンダーから説明があるので、その時点でしっかり対応策を考えておきましょう。

データ移行に関するリスクは、ベンダーに作業を依頼するのは基本的にオプションですから、一度データを受け取って新システムに入力しなおすという方法があります。

システムの機能性次第では、新旧両方の電子カルテを使い分けるという方法もあるので、実践しやすい対策法を検討しておくといいでしょう。

電子カルテに限らず、新しいシステムへの乗り換えはスムーズに進まないことが多いです。

ですので、そのリスクを踏まえた上で、サポート体制がしっかり整っているベンダーを選ぶというのがもっとも重要なリスク対策と言えるかもしれません。

乗り換えのときの電子カルテ選びは慎重に

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電子カルテは年々進化していますから、古いシステムと新システムのスペックなどを比較した場合、どんな電子カルテであっても魅力的で使いやすそうに思えるものです。

ですが、デモンストレーションだけで判断するのは危険です。

トラブルのリスクはゼロではない

今まで電子カルテを使っていたのだから、大体のことは理解しているという油断は、乗り換えの失敗を引き起こします。

例え電子カルテを導入していたとしても、乗り換えるときには初めて電子カルテを導入したときと同じように慎重にベンダーを選ばなくてはいけません。

いくら、今までの電子カルテよりも良いと判断して新しい電子カルテを導入したとしても、不具合が出てくる可能性があるのです。

また、不具合はないとしても新システムになれば操作方法が変わります。

不具合が生じれば電子カルテのトラブルが生じますし、操作性が悪ければ業務が遅くなるため、会計はもちろん診療にも支障が出てきます。

特にトラブルはすべての業務に支障を与えますから、最悪の場合システムトラブルによる臨時休診ということにもなりかねません。

臨時休診になった場合、医療関係者には不利益が生じますし、患者さんは必要な診察や治療が受けられないという事態が発生します。

電子カルテというのは、医療業務をスムーズに行うために導入するものです。それが逆に医療業務を妨げるようなことになっては、導入した意味がありません。

バックアップサポート体制

製品としては、電子カルテは一括りにされています。しかし、ベンダーによって操作方法や機能性、セキュリティーの高さ、安定性、そして災害時やトラブル時のバックアップサポートなどは異なります。

この中でも特に大事なのは、バックアップサポート体制です。システムというのは、どんなに優れたものでも予測不能の障害が起こることがあります。

こういったときに、どれだけ迅速かつ確実にサポートをしてくれるかというのが電子カルテの乗り換えではもっとも重視しなくてはいけません。

検討時に自社製品の脆弱性を打ち明ける会社はありません。だからこそ、いざというときのためにSEの技術力はもちろんコールセンターのシステムなどを確認して、サポートが的確に受けられることを確認しておく必要があるのです。

電子カルテというのは、新システムを導入して構築されれば終わりというものではありません。

構築はあくまでもスタートラインで、電子カルテを長く使い続けていくことが目的で導入するのですから、乗り換えるときには目新しさや営業トークに惑わされず、機能性や操作性、そしてどこまでリスクマネジメントをしてくれるのかを基準に選んでくださいね。

電子カルテ乗り換え時のサポート体制について

他社の電子カルテに乗り換える場合には、メーカーによる乗り換えサポートが利用できる場合もあります。そこで、本サイトで取り上げている4つのメーカーについて、他社からの乗り換え時に利用できるサポートや注意点、乗り換えるときの料金などについてご紹介します。

株式会社オプテック

株式会社オプテックの電子カルテシステムは、現在開発されているほとんどの電子カルテのデータが移行可能で、現在使っている電子カルテのメーカーを問わないところが最大の魅力です。

詳しくは電話かメールにて問い合わせが必要とはなりますが、すぐにデータの移行をすることができれば、スムーズに新しいシステムの利用が始められるでしょう。

また、株式会社オプテックの電子カルテはオープン型となっているため、他社のシステムとの連携も可能。連携させる側のシステムもオープンとなっていれば、すべてのシステムと連携ができるため、今まで利用していたシステムが使えなくなるという不安もありません。

連携させるシステムの例としては、患者管理システム、予約システム、歯周管理システムなどで可能となっていますが、その他、現在主流となっているカボ デンタルシステムズジャパンや朝日レントゲン工業などの歯科用デジタルレントゲン、ジャパンリッチフィールドなどの画像管理システムに関しては、連携の実証を完了させているので確実でしょう。

電子カルテの導入のためには、新規導入契約の場合と月額利用契約の場合の2種類がありますが、必要なライセンス料金は次の通りです。

【新規導入契約】

  • ・POSカルテパッケージ:親機ライセンス1,900,000円、子機ライセンス100,000円/台
  • ・レセプトカルテパッケージ:親機ライセンス1,500,000円、子機ライセンス50,000円/台

【月額利用契約】

  • ・POSカルテパッケージ:親機ライセンス22,600円~、子機ライセンス1,200円/台
  • ・レセプトカルテパッケージ:親機ライセンス17,900円~、子機ライセンス600円/台

導入後のサポートは電話やインターネットでライブサポートを受けられるので、使い方やデータ移行に関して問題があった場合でも、スムーズに対応してもらえるでしょう。

株式会社ノーザ

株式会社ノーザでは、歯科医院で行われている業務全般に対して、深い知識を持ったスタッフが在籍しています。そのため、初期導入の際にはもちろん、電子カルテの乗り換えの作業もスタッフに任せることができ、乗り換えに関して高い安定感を誇っています。

医院での現在の電子カルテ使用状況に合わせて、適切なカスタマイズを施してもらえる他、使い方のトレーニングや講習を受けることもできるので、システム変更により使い勝手が悪くなるというリスクはありません。

そして、電子カルテの乗り換えの際に問題になるのが、今まで連携させていたシステムを利用できなくなる可能性があるという点ですが、株式会社ノーザの電子カルテは、非常に多くのシステムとの連携を可能としています。

連携が可能とされているシステムは、デジタルX線システムで5メーカー、予約管理システムで6メーカー、画像管理やインフォームドコンセントシステムで6メーカーとなっていますが、この他にも連携可能なメーカーは存在するそうです。主要なシステムは連携可能となっているので、現在の連携が不可となる可能性は低いでしょう。

システム導入後のサポート体制は、リモートサポートとコールセンターによって行われ、リモートサポートでは遠隔で設定変更なども行えるようになっているため、利用中にすぐに設定の変更してもらうことができ、設定変更中もカルテの入力が可能です。この通信は暗号化されているので、情報が漏洩してしまう心配もありません。

今までの電子カルテとの違いに戸惑った場合や、使い勝手が悪くなったなどの問題があった場合は、リモートサポートで設定の変更や操作ガイドを依頼できる他、夜間も対応しているコールセンターにてサポートを受けることができます。

株式会社ヨシダ

株式会社ヨシダの電子カルテシステムである「Profit-QUATTRO」は、他社からの乗り換えという点を重視しているシステムではないようで、他社とのシステム連携に関してもほぼ情報がありません。データの移行に関しても情報はないので、旧電子カルテのデータとの併用が必要だと思われます。

株式会社ヨシダでは、TrophyWindows、DBS-Win、CliniView、Ondemand3Dなどのレントゲン画像管理システムも自社で開発しているため、他社のシステムと連携させるという概念が希薄なのかもしれません。その他、予約管理システムやポータルビュアーソフトも同社で開発しているため、これらの連携が前提となる可能性があります。

ただし、現在すでに、上記のような株式会社ヨシダの製品と電子カルテを連携させているという場合は、当然Profit-QUATTROとの連携は可能です。さらに、株式会社ナルコームの治療管理、見積書作成ソフトである「達人プラス」であれば連携ができるようになっています。

電子カルテ乗り換え後のサポートは、コンタクトセンターとリモートサービスの2種類が用意されており、コンタクトセンターでは操作の説明、リモートサービスではコンピュータを遠隔操作してのサポートを受付。ただし、これらのサポートはシステムの操作説明が中心となっているようで、設定の変更やシステムに関する問題は、担当者へのアポイントが必要となるようです。

メディア株式会社

メディア株式会社の電子カルテは、導入時から導入後など、すべてのサポート体制が充実していることが特徴です。そのため、他社システムからの乗り換えの際にも、導入前の準備から仮稼働、設置まで様々な初期導入サポートが受けられるでしょう。

初期導入の際には、より効率的に院内の業務を遂行できるように、運用改善のサポートを受けることもできるため、これまでの電子カルテよりもより便利に活用していける可能性が高くなります。システムマスタについても、打ち合わせでヒアリングを行い、ベースから細部を丁寧にカスタマイズしてもらえます。

ただし、データ移行に関する情報は記載がなく、旧電子カルテとの併用が必要となる可能性があります。また、他社とのシステム連携に関しても情報がありませんが、診断画像、治療、会計、検査、薬品処方などを一括で管理するHIS連携機能を搭載しているため、他社のシステムとの連携は行わない使用であるとも考えられます。

カスタマイズや運用改善サポートの件と併せて考えても、旧システムに近い使い勝手を実現させるよりは、新しいシステムに合わせていくような運用になるかもしれません。

導入後もサポート体制は充実しており、WEBカメラを使ったコールセンターである「スマイルコール」によって、院内のコンピュータのデスクトップ画面を共有しながら、操作の説明などを受けることができます。遠隔操作も可能なので、新システムの操作に戸惑うことはないでしょう。

スマイルコールでは、コンピュータの操作説明だけではなく、保険点数についてや、ハードやソフトウェアの不具合、障害についての問い合わせなども行うことができます。電話なども必要なく、コンピュータのデスクトップ上から発信できるため、手軽にトラブルを解消できる方法です。

電子カルテのデータを移行する方法

ほとんどの場合、レセコンに入っている患者データを移行することは難しくありません。電子カルテの乗り換えのときに問題となるのは、カルテ部分のデータの移行です。

メーカーによってコード体系が異なるために、スムーズに移行することができないのです。

しかし、当然ながらカルテのデータは必ず必要です。そのため、電子カルテを乗り換えた後は

  • 旧電子カルテと新電子カルテを併用する
  • 新電子カルテにデータを移し替える

の2つのうちのいずれかの方法で対処することになります。

■旧電子カルテと新電子カルテを併用する方法

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手軽に行えるのは、旧電子カルテと新電子カルテを併用する方法です。

この方法では旧電子カルテと新電子カルテを近い位置に置き、モニターを切り替えながら両方のデータを閲覧します。

データを移行するための手間もコストもかからないのがメリットだといえます。

この方法のデメリットとしては、2つの電子カルテをモニターの近くに置かなければいけないため場所を取るということが挙げられます。

また、万が一旧電子カルテが壊れてしまうと診療録の5年保存を行えなくなってしまうので注意が必要です。

■新電子カルテにデータを移し替える方法

もう一つの方法が、新電子カルテにデータを移し替える方法です。

こちらの方法は手間と時間、お金がかかってしまいますが、過去のデータを失うリスクを考えるとできるだけ早くデータを移し替えたほうがいいといえるでしょう。

データを移行するときにはまず旧電子カルテに入っているデータをPDF化し、そしてこのデータを新電子カルテに取り込みます。

ただし、この方法を行うときには旧電子カルテのデータをPDF化できること、そして新電子カルテがPDFファイルを取り込めることが条件となっています。

なお、電子カルテデータを移し替えるには多少時間がかかります。データの量が膨大であればあるほどデータ移行のためにかかる時間は長くなるので、そのことも考慮して早めに乗り換えの準備を始めることをおすすめします。

 
 
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