必読!歯科用電子カルテの手引き

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導入の流れ

電子カルテを導入するときには、どのような流れで行うのでしょうか?また、新規導入・更新のタイミングについてもくわしく解説しています。

電子カルテを導入・更新するタイミングとは?

電子カルテの導入や更新を行う際、大切にしたいものがタイミングです。カルテの導入や更新にあたり、以下の点に注意が必要です。

早めの導入を検討する

まだ電子カルテを入れていない場合は、将来のことも見据えて早めに導入することをおすすめします。導入をスピーディに行うことで、紙のカルテの枚数を削減できますし、保管や管理に場所と時間をとられずに済みます。

開院して間もないクリニックなど、まだ患者さんの情報が少ない状態であれば、その時が電子カルテの絶好の導入タイミング。導入が早ければ早いほど患者さんの情報を紙ではなくシステムに蓄積できるため、データの取り扱いが楽になります。

反対に、開院から年月が経つほどに患者数は増えていき、データ管理が複雑化していくため、スピーディに導入を決定することが大切です。

紙のデータが膨大になってしまうと、カルテを探しだす手間や時間がかかるため、作業に遅れが生じるなどさまざまなデメリットが出てきてしまいます。

繁忙期を避ける

患者さんの数が増える繁忙期は、電子カルテの導入に時間をかける余裕がとりにくく、事務に大きな負担がかかります。

また、院内システムの大幅な変更にともなう、紙カルテから電子カルテへの転記ミスの発生やアプリケーション障害への対処など、安定稼働までに時間がかかる可能性を考慮しなければなりません。

歯科医院は一年を通して患者さんが訪れますが、医院によっては特定の時期だけ混み合う繁忙期が存在しますので、患者数が安定している時期をみて電子カルテを導入すると良いでしょう。

カルテは最低5年保存しておく義務がある

紙・電子ともに、患者さんのカルテは最低5年間の保存が義務付けられています。それに加えて、開業年数が経過した医院では今までのカルテの記録はすべて保存しておきたいという意見も多くみられます。

開院から何十年もの実績をもつ医院では、データベース化する情報が膨大になるため、データ化にかかる人件費など、経費がかさむのも事実です。

実際に電子カルテを導入しても、しばらくは紙カルテを照らし合わせて作業を行わなければなりません。それが実務と平行すると、予想よりも多くの時間と手間がかかる可能性があります。つまり、何の記録もない新規開院の時期がもっともローコストで電子カルテを導入できるのです。

年数がそれほど経過していない医療機関でも、開院とともに患者さんの情報は常に蓄積されていくため、やはり途中から電子カルテに移行すると余分な手間がかかることが考えられます。

可能であれば、医院の新規開院や移転時などのタイミングで導入し、開院と同時に電子カルテが使える状態にしておくと安心です。

また、レセコンのリースアップ時に導入するという方法も有効です。すでに契約中の会社との期限が切れ、レセコンを見直すといったタイミングで、使いやすい電子カルテシステムを検討することもできますね。

電子カルテの導入数

医院によっては、電子カルテを2台以上で稼働させなければならない場合もあります。

受付以外の場所でも電子カルテを使うようなケースでは、医療スタッフがスムーズに電子カルテを使いこなせるように、導入時期にもゆとりをもっておく必要があるでしょう。

電子カルテ導入の流れ

電子カルテを導入したときの一般的な流れを記載しています。(※医院の規模や状況、メーカーによって詳細が変わることがあります)

  1. ミーティング・打ち合わせ
    まず、電子カルテの導入目的を明確にしながら、コスト面も考えてシステムの導入範囲を決定します。
    メーカーと話し合いを重ね、院内の業務内容や状況を分析、その結果を元にして導入後の運用についても決定します。検討要件はヒアリングシートにまとめられ、その後サーバーの設置やマスタの構築に進みます。
    問題点の洗い出しやシステムの運用案、基本設計の検討など、必要な項目を取り決めるため、打ち合わせには1ヶ月~2ヶ月程度をみておくと良いでしょう。
  2. サーバーの設置
    システム選定後、システムの構築フェーズに入り、機器の設置やテストを行います。グループを設置して医院の部署や業務ごとに電子カルテの仕様をすり合わせ、サーバーの設置も行います。システムの構築フェーズから研修会まで、約3ヶ月から4ヶ月をみます。
  3. テンプレート作成
    電子カルテに入力するためのマスタやテンプレート、文書を作成してもらいます。頻出の診察パターンを登録したり、患者さんへの説明文の下書きなどを用意しておくなど、準備を万全に行うことでその後の運用が楽になります。
  4. 研修会
    メーカーの担当者が医院を訪問し、医療スタッフに電子カルテの操作方法をレクチャーします。
  5. テストの実施
    本稼働フェーズに入る前に、メーカーが構築したシステムを実際に使い、テストを行います。実際の病院業務に基づくリハーサルもここで行われます。
  6. 実務へ導入
    いよいよ本稼働フェーズに入ります。電子カルテシステムを運用開始します。メーカーのスタッフが現場に立ち会い、システムの調整やトラブルシューティング、不明点の説明などを行います。
  7. メンテナンス
    実務に導入された後も、保守点検や故障時のメンテナンス、システムのバージョンアップなど必要に応じてメーカーとやり取りを行います。
    導入完了後も、処方薬剤のリストアップ、病名のセット登録など診療内容に応じた見直しが必要になります。
    万が一のシステムダウンへの備えや、スタッフがスムーズにシステムを使いこなせるように定期的な研修を行うなど、使い勝手の良いシステムに仕上げていく時間も必要です。

その後は、保守・メンテナンス、システムのバージョンアップなど、場合に応じて柔軟にやりとりしながら運用していくことになります。

電子カルテ導入の際に気をつけることとは?

電子カルテは便利なシステムですが、慎重に検討しなければ「導入してみたら想像と違った」と感じてしまうこともあります。

それでは、実際に電子カルテの導入を検討した時に、何か気をつけることはあるのでしょうか?上手に使いこなすためにも、次のようなポイントに気をつけて導入を検討しましょう。

導入する目的を明確にしておくこと

「電子カルテは便利なシステム」というイメージばかりが先行してしまうと、自院でどのように運用して、どのような目的で利用するのかという導入目的がはっきりしなくなります。

電子カルテには実に様々な機能がついているので、導入目的が明確にならなければ、自院にとって必要な機能を選択することもできません。導入目的は医院によって様々ですが、次のような例が考えられるでしょう。

  • 紙カルテが大量にあるから整理したい
  • 検査結果をオンラインから取り込みたい
  • 時間削減によって業務効率化を狙いたい
  • カルテを様々なところから確認したい
  • 人為的ミスを防ぎたい

目的を明確にしておくことで、運用後に必要な機能がないことが発覚するという事態を、未然に防止することができます。

もちろん、これらの全てが目的である場合もあると思いますが、「必要な機能」「あると便利な機能」「不要な機能」に分けておかなければ、次にご紹介する費用面で切迫してしまう可能性もあります。

電子カルテにかけられる予算を決めておくこと

電子カルテ導入にはコストが必要です。導入の目的を明確にして、その目的を達成するためにはどのような機能が必要で、予算はどの程度必要なのかということも、事前に考えておく必要があるでしょう。

電子カルテ導入のために必要な費用は、ハードウェアやシステムの費用だけではなく、ランセンス費用や連携システムの費用も考慮しておく必要があります。

導入する機能、医院の病床数などによっても導入費用は変わりますが、一般的には「1床100万円」と言われているほどなので、小規模の医院であってもそれなりのコストが必要です。

ここでわかることは、導入時の予算を決めることと導入目的を決めることは、同時進行されるべきだということです。予算と電子カルテシステムの内容のバランスを取って、どこが最も適切な位置かを図ることが大切でしょう。

ランニングコストも含めた予算を考えておくこと

電子カルテシステムにコストが必要になるのは、導入時だけではありません。長期的な運用をしていく上で、絶対に必要になってくるものがランニングコストです。

電子カルテはシステムであるため、保守管理が欠かせません。コストを重視するというと、保守費用が低い方が良いというイメージがありますが、最も大切なのは、「保守管理の内容に対して適正価格かどうか」という点です。

保守費用の安さで選んでしまうと、次のようなケースも考えられます。

  • 土日祝日は対応できない
  • 電話サポートのみでの対応
  • サーバーが原因の場合対応不可

このような保守管理では、万が一電子カルテシステムが動かなくなった時に、医院全体の機能がストップしてしまう可能性もあるので、保守管理内容に対して適正価格であるかという点を確認したいものです。

導入後の運用フローを確定させておくこと

導入する電子カルテシステムの機能を把握して、導入後の運用フローをイメージしておくことも大切です。また、使い方によっては、電子カルテシステムの運用フローに併せて、医院自体の運用を変更しなければならない可能性もあります。

保険証の確認や処方箋発行のタイミングを考える、テンプレートを使ったカルテの書き方統一など、電子カルテを導入することで生じる変更点を含めて考え、運用フローに問題はないかを確認しておきましょう。

一体型の電子カルテの注意点

一体型の電子カルテは、カルテそのものとしての使い方以外に会計業務にも使用できます。その反面、さまざまなシステムと連携しなければならないため、導入時にはやや時間がかかることがあります。

すでに病院業務が始まってしまった後で一体型の電子カルテを導入すると、本稼働までにシステムの構築などに時間がとられ、計画通りのスムーズな移行ができない可能性も。

一体型の電子カルテを導入する場合、あらかじめ時間にゆとりをもっておくか、最適なタイミングをみて導入を実行する必要があります。

クラウド型の電子カルテの注意点

クラウド型の電子カルテは、ダウンロードするだけで簡単に使えるようになる利便性の高い仕様となっています。

その一方で、セキュリティレベルが一定以上なければ患者さんの情報が流出する危険が高まるため、選定や導入に時間がかかる可能性があります。

一体型の電子カルテを使っている医院がクラウド型に移行する際、セキュリティレベルの問題をクリアしているかどうか事前にチェックしなければなりません。

必要に応じて、患者さんの個人情報を守れるようにセキュリティレベルの向上をはかり、安全性を確保したうえで導入を検討する必要があります。

また、クラウド型の電子カルテはソフトウェアなどのリソースが業務利用できるまでの期間調整に時間がかかることがあります。

ハードウェアについても、追加や拡張にまとまった期間がかかることを考えなければならないため、メーカーが決まったら早めに話し合いと計画を行い、ゆとりをもって導入を行うことが大切です。

 
 
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