必読!歯科用電子カルテの手引き

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電子カルテの未来:現状と可能性は?

電子カルテの普及状況

「35%」。これは何の数値かというと、日本の診療所における電子カルテの普及率です。低いと捉えるか高いと捉えるかは人それぞれだとしても、電子カルテのメリットを考えるならば、この数値がもっと高まっていくことが望まれます。ヨーロッパや北米の国では、電子カルテの普及率が70%に達している国もあり、北欧では開業医が電子カルテを使用することは当たり前です。また、民間だけではなく政府が電子カルテの普及に携わっている国もあります。

こうしてみると、日本は医療先進国ではあるものの、医療の情報通信技術化(ICT化)ついては改善の余地があるといえるでしょう。では、現在の日本の医療現場において、電子カルテ導入の現状はどうなっているのでしょうか?

電子カルテ導入の課題点

多くの新技術に関していえることですが、新しいシステムが普及していくにはある程度の時間がかかります。解決していくべき課題点がいろいろと出てくるのも、最初のうちは自然なことです。電子カルテに関しても同様のことがいえるでしょう。

現在日本の診療所の3件に1件が電子カルテを導入していますが、これを増やしていくにはいくつかの課題点があります。まずはセキュリティ上の問題です。医療現場では現在「大量の画像情報が扱われる」「新薬や新しい手術方法が開発される」など、ますます高度化しています。それに伴い、記録される情報も自然と大容量化しているのです。

電子カルテは従来の紙媒体のカルテでは難しい、こうした大量の情報の記載を解決してくれるメリットがあります。しかしデータ管理が容易な分、情報漏えいの問題があるのは見過ごせない点です。仮に、ある患者の情報を記載した紙媒体のカルテが100枚あった場合、これを持ち出すのは簡単ではありません。しかし、電子データなら簡単な情報の持ち出しが可能になります。

そのため、カルテに情報を入力すべきは医師なのかどうか、データへのアクセス権限のあり方が問われているのです。個人情報保護に関する社会の目が厳しい中、電子カルテのセキュリティ面に関しても十分な対策が求められるのは当然のことといえます。

電子カルテのもう1つの課題点はコストです。ある調査によると、電子カルテを導入していない医療機関の約4割がコストの問題を理由に挙げています。一般に「設置型」といわれる電子カルテの場合、医院の中にサーバを用意し、高いコンピュータを導入しなければならない他、一定周期でのハード交換なども必要なため多額の費用が発生します。

また、導入までに月単位の時間がかかることもデメリットです。日本では小規模の病院が8割を占めているという現状があるため、コストを考えると導入に二の足を踏んでしまう可能性があります。

電子カルテには可能性あり!

こうした課題点を見ると、電子カルテを取り入れたいという気持ちが削がれてしまうかもしれません。しかし、電子カルテにはそれを補って余りある可能性があります。たとえば、セキュリティ面については、利用するネットワークを「IP-VPN」など高セキュリティなものにすれば問題ありません。

「VPN」とは「バーチャル・プライベート・ネットワーク」のことですが、これは通信事業者が持っている閉鎖ネットワークを利用する通信技術です。インターネットとは隔離されたネットワークであり、簡単にいうとプライベートな通信網というイメージです。こうした技術を活用すれば、電子カルテの安全性は向上します。

また、コストに関しても、最近では初期費用などがかからず特定のハードウェアやソフトウェアを必要としない「クラウド型」と呼ばれるタイプの電子カルテが登場。ネット環境があれば、基本利用ができるため安価なコストでの使用が可能です。導入も即日可能というものがあり、面倒な手続きも必要ありません。

さらにコスト面でいえば、かつて「e-Japan」という医療の情報化を目指した国の策定プランがあったように、いずれ国が補助政策を打ち出すことも期待できるため、電子カルテ導入への道は拡がっていく可能性は大いにあるといえるでしょう。

電子カルテには省スペース化、情報シェア簡易化などのメリットに加え、患者のセカンドオピニオン要求に対する情報アクセスの容易さ、訪問医療の手軽さなどの利点があります。課題点の克服は少しずつ見えており、メリットの方も今後ますます顕著になってくることが期待できるので、導入を検討しない理由はありません。

 
 
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